ふたつ星
声に真剣さが孕んでいた。
「いいんですか?」
「あぁ、お前が望むならな」
窓の外では青空が夕焼けに変わってゆく。
私は意を決して答えた。
「私、ここで暮らしたいです……」
翔さんは頷くと私の頭を撫でた。
「嫌なことはしなくていい。嫌なものは全部捨てろ」
意味は重いのに、私の心を軽くしてくれる言葉だった。
「学校も行きたくなかったら行くな。自分が傷つかない道を選べ」
「行きたくない、です……」