ふたつ星
儚さ


私が翔さんの家に来て知ったこと。



翔さんは寝起きがあまり良くない。



食が細い。



娯楽関係の物を滅多に買わない。



そして、毎日河原に行く。



雨の日も傘をさして川沿いに佇んで川の流れを見つめている。



そのことが翔さんにとって、どういう意味があるのかはまだ知らない……。



だけど私も毎日の様に一緒に河原へ行って、そんな翔さんを見つめている。




河原にいる時の翔さんは、思いつめたように感じる。



だから、なかなか声を掛けられない。



そんな私に翔さんは一緒に来ても楽しくないだろって言うけれど、私は翔さんの側にいられるだけで幸せなんだ。



< 55 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop