ふたつ星


翔さんの手が、私の手に重ねられる。



「他人の幸せを奪った俺が、お前に幸せにしたいなんて難しいかもしれない。こんな俺を、受け入れてくれるか……?」



翔さんの紅茶色の瞳が切なく揺れた。



私の心も大きく揺れる。




翔さんは“いじめ”をしていた。



それによって、いじめられていた人は死を選んだ。



それって、私が置かれていた場所と同じ……。



翔さんが“いじめる側”で、私が“いじめられる側”




助けてもらった事には本当に感謝してる。



でも、いじめる側の人のことを理解なんて出来ないよ。



それに翔さんは、罪滅ぼしに私を利用したんじゃないの……?



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