ふたつ星


「2人とも私のことなんか見てくれない。私は家族じゃないから……ここに私の居場所なんか無いじゃない!」



感情が高ぶって、思わず語気が強くなる。




――パンッ!!




乾いた音がリビングに響く。



叩かれた頬が痛くてジンジンとする。



「日向はちゃんと家族だ。もし誤解をさせていたなら謝る。寂しい思いをさせていたんだな……でもわかって欲しい、小さな子どもは手がかかるんだ」



「日向ちゃん、私からもごめんなさい」



お父さんとお母さんが謝ってくれる。



そのから、私が出て行った後とても心配したと言ってくれた。



自分の気持ちを曝け出せば、相手もちゃんと応えてくれる。



一度離れたから自分の気持ちに正直になれたんじゃないかな。




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