ふたつ星
反射的に答えられたのは、翔さんが毎日言ってくれていたからだ。
“おやすみ”と。
翔さんは私に色々な物を与えてくれた。
洋服のままベッドに横になると、また涙がこぼれた。
硬いベッドがここは翔さんの家じゃないと語る。
ここに翔さんがいないと思うと無性に悲しかった。
何故?
どうして?
翔さんは私の大嫌いな“いじめる側”の人なのに……。
それでも私は翔さんの姿を求めてしまう。
矛盾する気持ちに胸が締め付けられる。