ふたつ星
静かな夜だった。
眠れずに窓の外をずっと見ていた。
舞い落ちる粉雪を眺めながら思いを馳せる。
翔さんと過ごした日々に。
だけど、思い出しては悲しくなるだけだった。
あんなに優しい翔さんが……。
辿り着く答えはいつもそこ。
考えるだけ無駄なのだ。
考えるのを止めようと思えば思うほど、逆に考えてしまっているのがもどかしい。
いつの間にか窓の外には朝日が昇っている。
私は一睡もしないまま起き上がった。