ふたつ星
失って気付くもの
朝食を半分以上残して部屋に戻ると、ベッドに座って窓の外を見つめる。
違和感を抱いていた。
私が私でいられる場所はここじゃない気がして。
確かに両親は優しくなった。
でもそれは、仮初めの様。
疑ってはいけないと思う。
だけど、誰も信じられない、信じたくない……。
信じたら裏切られる。
裏切られるくらいなら、始めから信じない方がいいんじゃないかと思ってしまう。
私は翔さんに裏切られた気がしていた。
そして、どうしようもなく悲しくて、憎みたいとも思った。
でも、それが出来ないのがもどかしい。