ふたつ星
「いじめ……?」
彼の顔つきが嫌悪に満ちた顔に変わる。
「私、要領悪くて、友達づきあいとか下手で嫌われちゃってるんです」
何故かどんどん言葉が出てくる。
「教科書には落書きされて、持ち物は隠されちゃうし……」
誰にも話したこと無かった。
「悪口とか、変な噂とか耐えられなくて……」
でも、誰かに聞いてほしかった。
「そしたら死ねって言われたから、いっそのこと死んじゃえばいいやって思って……」
バカみたいでしょ?って笑ったら、彼の手が私の頬に触れた。
「辛かったろ。ムリに笑わなくて泣いていいんだ」
彼の手の温かさに私の瞳からは涙がこぼれ出していた。