ふたつ星


でも、少しだけ信じてみようと思った。



「今まで私は……」



私は翔さんのことを話した。



助けられたこと、嫌なことから逃げる勇気をくれたこと。



そして、居場所をくれたことを。




一通り話して顔を上げるとお母さんは複雑な表情を見せた。



「日向ちゃんは、その神崎さんって人の事を好きなの……?」



その問いに一瞬戸惑う。



好きだったけれど、今はどうかと問われたらわからない。



「好きでした……」



だから、あえて過去形を使った。



「そう……」



< 91 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop