ふたつ星
でも、少しだけ信じてみようと思った。
「今まで私は……」
私は翔さんのことを話した。
助けられたこと、嫌なことから逃げる勇気をくれたこと。
そして、居場所をくれたことを。
一通り話して顔を上げるとお母さんは複雑な表情を見せた。
「日向ちゃんは、その神崎さんって人の事を好きなの……?」
その問いに一瞬戸惑う。
好きだったけれど、今はどうかと問われたらわからない。
「好きでした……」
だから、あえて過去形を使った。
「そう……」