『好き』をあなたに

奴の言葉に気をとられていると前を歩く双子がた立ち止まり、振り返った。

「おい…。ハルは、……学校で笑ってるか?」

「は?」

急に問われた内容にすぐには反応できなかった。

「チッ…だから! ハルは、学校で笑ってるかって!」


舌打ちをして苛立たし気に同じ言葉を吐き出した。

「俺らは、ハルが本当に笑えてるんなら…いいんだよ。彼氏さん。」

双子の片割れが真剣な眼差しを向ける。

春奈の笑顔…。
アイツらの前で笑ってる春奈しか知らない。


「泣かしたらぶっ殺す !! 」

用は済んだとばかりに背を向け路地へと向かった。



「…………………」

路地に止めてある乗り物に跨がる二人に思わず見つめてしまった…。

「…何だよ。」

「イヤ……自転車かよ…。」

「当たり前だろ、俺ら中学生だからな。」


鼻を鳴らして自転車で颯爽と走り去って行った。
マジ…びっくりだよ…。






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