『好き』をあなたに
昼休み、中庭で麻衣達に金曜日の事を話した。

「それだけ?」

加奈が疑いの眼差しを向ける。

「うん。…嫌がらせとしか思えない…。」

あの後、皆の視線が痛かった…。

「でも、あの谷口弘人が手作り弁当を食べるなんて…。ありえない。」
麻衣まで…。

「知らないよ~。あげたんじゃなくて、取られたんだもん。」

ほんと迷惑…。
弁当を食べようと袋から出す。

「あっ、…春菜…」
2人が春菜の後ろを見ながら口ごもる。

後ろからあいつの声が…
「春菜、ちょっとこいよ。」

なんで!また名前!
困って、麻衣を見る。

「でも…まだ、食べてないし…。」

関わりたくなーい!
ヤンキー嫌ーい!

「待てない。」
有無を言わせない。

このまま引き下がりそうにない…。
春菜は仕方なく、弁当を持って谷口弘人に着いていった。




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