『好き』をあなたに
谷口弘人はため息をはいて、前髪をかきあげた。

その姿が妙に色っぽくて思わず見とれてしまった。

「春菜は俺の何?」

何って……。
「…『彼女』?」


「なんで疑問形なんだよ…『彼女』だろが!」
春菜の答えに眉間にシワを寄せムッとしている。


だって…『彼女』ってよくわからない……。
春菜は困って、下を向いた。


谷口弘人は、春菜の手を掴んで門へと歩きだした。


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