『好き』をあなたに
いつも通り谷口君の隣に腰かけ、お弁当を渡す。


いつもと違う弁当に固まる谷口君。

「これ……。」

「谷口君パン嫌いなんでしょ? 」

変なの……いつも私の取るのに……。

「俺の?」


谷口君の目は弁当にくぎ付けだ。

「うん…私のじゃ足りないでしょう?」



もしかして…多かった!?


「いらなかった?」


固まる谷口君に焦る。

「食う。」


黙々と食べ始めた。


ほっとして春菜も黙って食べ始めた。

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