『好き』をあなたに

亮介と麻衣

春菜が谷口弘人と帰った後、麻衣も教室を出ようと鞄を持った。


「麻衣。」


教室の入口に大嫌いな奴がいた…。


澤井 亮介…。

麻衣は無視して亮介の前を通り過ぎようとした。

「上野の事で聞きたい事があるんだけど…?」


その言葉に立ち止まり振り返った。


「帰りながら話そ? 隣なんだしさ。」


何の因果か中学の時、隣に引越してきたコイツ……しかも私の部屋の隣がコイツの部屋。


「で? 何?」


隣を歩く亮介にムスッとして聞く。


「…そんなに俺が嫌い?」


「!!……関係ないでしょ? 春菜の事って…早く言いなさいよ!」


表情の読めない顔にイラだつ。



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