どうしてこんなにも。




「ゆうくん、苦しいっ、」


優璃はもごもごと口を動かし、酸素を求めてバタバタと暴れる。

俺はその様子に微笑んで、少し体を離す。


「ふあっ、」


よっぽど苦しかったのか、優璃は大きく口を開いて酸素を求めている。


「ごめんごめん。」


そういいながら、俺は優璃の頭をそっとなでる。

細い髪が指に絡まり、するするとほどけていく。


「ね、ゆうくんさー、」


優璃は俺の方に額をくっつけて言う。


「私のこと、ちゃんと好きなの?」


きっといつか、君の瞳を見て言うから。

俺の気持ちを、伝えるから。


そう思っていた。

けど、優璃は本当は俺より1枚上手なんだよな。


昔から、

伝えよう伝えようと思っていた気持ちはどんどん大きくなり、

それが大きくなるにつれて口に出すのが恥ずかしくなった。


優璃が顔を上げた。

そして俺の手を取り、俺の唇に自分の唇を重ねた。


動揺。

焦り。

羞恥。


キスした瞬間、感じたたくさんの優璃に対しての感情。

そのなかで、確かに一番大きく感じたものは、


愛しさ。





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