どうしてこんなにも。




「私は、ずっと、ずっと前から、ゆうくんのこと、」


言いかけた優璃の唇を、今度は俺から塞いだ。

んっ、と声を漏らし、それでも俺を受け入れる柔らかいそれ。


先に、優璃に好きって言われるんじゃ、恰好がつかない。

俺だって、一応男だ。


男として、幼馴染として。

ちゃんとした告白は自分からしたいと思った。


離したくないと思える優璃の唇を離し、

俺は優璃を抱きしめた。


「ごめん、優璃。


俺、優璃が思ってる以上に意気地なしで、

格好づけで、馬鹿なんだ。


でも、お願い。

告白は、俺からしたい。」


ふっ、と、優璃が笑った息が、俺の髪にかかった。

そして、ポンポンと優璃は俺の背を叩いた。


「ん、わかった。」


なんだかいつもと立場が逆転していて恥ずかしく思いながら、

俺はありがと、と小さくつぶやいた。


「あ、でもでもでも!!」


バッと顔を離し、満面の笑みで俺をみつめた優璃。


「私、ずっと思ってたんだけどね。

ゆうくんに告白されるなら、海がいい!」


海。くらげ。

よし、うん。

俺、がんばる。




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