どうしてこんなにも。
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「あああああああっ!!!
なんで!!冷血漢!!!馬鹿!!!」
俺は鼻で笑いながら隣の優璃を見る。
コントローラーを握りしめながら俺を睨み付けてる。
「ふっは、優璃、顔おかしいよ」
ほんと、優璃さんはゲーム弱いんですよね。
いや、俺が強いだけか。はっはー。
「もうっ、いいもん、ゲームやーめた!」
優璃は俺に自分のコントローラーを渡し、俺にへばりついてきた。
スライムみたいに。べっとり。
気持ち悪くないよ?かわいいよ?
「んー、ちょっと待って。今からボス戦だから。」
べっとりの優璃を今抱きしめちゃったらなんかやばい気がして。
ゲームに熱中するふりをして背中に感じるぬくもりを、うん。
「やだーってば!!」
首に手をまわしていつも以上に甘えてくる優璃。
すごいかわいくて、大好きで。
「んー、わかった。」
後ろを向いて、優璃の額にキスを落とす。
それだけで、真っ赤になる優璃。
君が隣にいる。
君=幼馴染
から、
君=恋人
になった。
ただそれだけで、なんだか日常が違って見える。