どうしてこんなにも。
「ゆうくん!1等星!!」
夜空を指す優璃の指先をたどり空を見上げる。
すると優璃の手がそっと俺の手に触れた。
少しためらいながらも、ぎゅ、っと手を握ってみる。
小さい時いつもしていたように、優しく。
昔はこんなに身長差もなかった。
いつも隣を見れば可愛い優璃の笑顔があって、
その小さな手は俺の小さな手を握りしめていた。
それなのに今じゃ、
俺の方が身長は高くて、
優璃を見るには少し下を向かなくちゃいけなくて、
優璃はいつも俺を見上げていて、
昔よりも大きくなったはずなのに、
優璃の手は昔よりも小さく感じて。
気付いたら好きだった。
隣にいるのが当たり前だった。
特別な存在。
「特別」の意味を、
自分の手で変える。
俺は、優璃が、好き。
昔から、ずっと。