どうしてこんなにも。
一旦息を吐き、苦笑いを浮かべる俺。
チョコレートをつまみ、俺の口元に近づける彼女。
俺は優璃の手をつかみ、
優璃の後ろにあるテーブルに手を伸ばす。
そして手さぐりでチョコレートをつかみ、
逆に優璃の口元に持っていく。
「ゆうが食べるなら、俺も食べよっかな?」
主導権を優璃に握られては困る。
俺的に、優璃は結構Sだったりすると思う。
俺もなんだけどね。
「ん、っ」
優璃はなんかよくわかんないエロい声を出してちょこを食べた。
可愛かったけど、うん、可愛かった。
「お前、色気ないな。」
俺は自分の中に芽生えた感情をごまかすためにそう言った。
そんなこと、君は絶対に気付いていないけど。
「なっ!?ひっどい!!!」
俺のそんな嘘を本気でとらえた優璃は俺を睨む。
しかし俺はそんな表情さえ可愛いと思ってしまう。
…重傷だな、俺。