だってキミが好きだから。
な、なんて強引なんだ!
なんて思っている隙もなく、わたしはりっちゃんに連れられて(引きずられるように)校舎へ向かった。
真新しい制服を着た新入生が、ワラワラと所々に群がっているのに目がいく。
それを見て、あぁ、わたしも高校生なんだなと自覚した。
校舎までの数十メートルの道の両脇に、これでもかというくらい桜が咲いていた。
そしてその花びらは、ひらりと舞って空を桃色に染めつづける。
りっちゃんに引きずられながら、ぼんやりとその景色に浸っていた。