だってキミが好きだから。
「葵依も、臨海中のことは知ってるよね?」
「…あの、悪さばっかりして、いい噂聞いたことない中学だよね?」
臨海中。
隣町の海のすぐそばにある、結構大きな学校だ。
でも、一度だっていい噂を聞いたことがない。
聞くのは、いつだって悪い噂ばかりだ。
「そう。葵依、高校生活楽しみたかったら、その臨海中出身のやつらとは深く関わらないほうがいい」
偏見とかじゃないけど、臨海中のやつらは本当にヤバいらしいから。
りっちゃんは力強い目力でわたしにそう訴え、立てていた人差し指を引っ込めた。