お隣サマ。
「じゃあね」
「うん、また明日」
学校が終わって栞と別れたあたしはアパートに向かった
大学からそれほど遠くない距離を歩いた
それから程なくして現れた見覚えのある白塗りの2階建てのアパート
そしてその2階に見覚えのあるシルエットがあった
あれは………
「会沢さんっ」
振り返る人にあたしは急いで駆け寄った
「ちづるちゃん、お帰り」
前にあったときよりもやつれた頬が、あたしの想像を現実にした
「大丈夫ですか……?
すごい顔が疲れてるみたいですよ」
「あぁ…最近は徹夜だからね
でももう少しで完成するから、多少ムリしなきゃ」
ニコっといつもと変わらない笑顔もどこか弱々しく見えた
「頑張ってください」
「うん、ありがと」
あたしはそれだけしか声をかけられなかった