お隣サマ。



「一方的にテンションあがってんの、気づけよバーカ」

「なんだと……っ」


立ち上がろうとした先輩の胸ぐらを会沢さんは掴んだ


「あんたみたいな1人で舞い上がって他人に迷惑かける人間が俺は一番嫌いなんだよ

この子に2度と手出すな」

「ちっ……」



舌打ちをした先輩はそのまま夜の公園に消えていった


「大丈夫だった?」

いつもとかわらない優しい声にあたしは声が出なかった

「………」

「ちづるちゃん?」


返事をしないあたしに会沢さんは近づいた


フワッ、といい香りが鼻をくすぐった

この匂い……会沢さんの匂いだ

そう思うとなぜか涙が溢れてきた


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