お隣サマ。


「僕にとってのデビュー作で賞をとっても称賛されるのは父だった

どんなに頑張っても、僕は父にはなれない
どんなに努力しても、あの堅苦しくて巧妙なミステリーに僕は辿り着けなかった

わかっていたことなのに、僕は完全に舞い上がっていました


そして我に返ったとき、僕は逃げ出したくなった

―――本当の僕をみてほしかった


わがままなのはわかっています
でも、僕は父じゃない。父にはなれない
それに気づいてしまったんです」


< 164 / 184 >

この作品をシェア

pagetop