お隣サマ。
「何か用でも……?」
「あぁ、知り合いからケーキもらったからどうかなあって
さすがに1人じゃ多くて」
そう言って有名店の箱を差し出す会沢さん
「え、でも悪いし……」
「こっちがいいって言ってるから遠慮しないでよ
あ、それとも甘いのダメ?」
眉を下げる会沢さんの顔は幼くもみえる
うーん……まあ、ここまで言ってくれるなら……
「ちづるー。紅茶のおかわりもらいたいんだけど……」
「あ、うんっ」
あわてて振り返ったあたしは一瞬で栞の頬が緩んだのを確認した