きゅーぴっど②
第一印象は最悪です
斎藤正樹side
ども、初めましての人は初めまして
お久し振りの人はお久し振り……でもないか。
斎藤正樹です。
今回も依頼人の恋路をお手伝いするために、
依頼人のもとに向かっているところです。
俺は黒いスーツのポケットから、薄ピンク色の携帯を出した。
―――…さてと、今度の依頼人はっと…
「中川桜……ち、女かよ」
女は面倒臭いから嫌いだ、
そう心の中で吐き捨てると、俺はもう一度依頼内容を見た。
「……依頼は……〔彼氏をつくること〕。
……って彼氏つくることぐらい自分の力で頑張れよ…」
俺はいかにも面倒臭そうに頭をボリボリと掻く
すると、メール画面になっていたのが通話の呼び出し画面に切り替わり、
握っていた携帯がぶるぶると震える。
そこに表示されている名前を見てみると、
同じ班の友人だった
一瞬呼び出しを無視しようとしたが
あいつのことだから、きっとこのタイミングで電話するということは
依頼に関わることなんだろうな、と思い
「もしもし、」
と少しげんなりしたように電話にでた。