きゅーぴっど②



「……っひ!」


殺される、瞬間的にそう思い
あたしはよりいっそう暴れる


が、祐太郎はそれでもあたしを離さない。


祐太郎は片手であたしの首を押さえつける
ヒュ、と音を立てて息が止まった。

あたしは息が出来ず、必死にもがくが
次第に意識が朦朧としてくる。








《…恋愛は人を変えるんだぜ?

良くも、悪くも……な》




昨日の、少年の言葉が頭に浮かんだ。



――――…ああ、そういうことか……。



あたしはそう思いながら、薄れゆく意識の中
ナイフを振りかぶる祐太郎の姿を最後に

ゆっくりと、瞼を閉じた。


< 20 / 54 >

この作品をシェア

pagetop