きゅーぴっど②



好き、大好き、愛してる


恋愛は、そんな一言で表すことが出来ないくらい複雑だ。


もっと甘酸っぱくて

もっと切なくて


そして時に、人を狂わすほど……




あたしは、そんな恋愛をしていなかった。

うわべだけで、他人任せで

とても、身勝手な

そんな幼稚な恋愛



「……あたしは、バカだ…」



確かに、殺されそうになったときは
正直怖かった。

でも、祐太郎をそうさせたのは
祐太郎を本気で好きになろうともせず、
無下に扱ったあたしのせい。


狂うほど、あたしを好いてくれていた祐太郎

あたしを殺そうとするほど、あたしを本気で愛してくれていた祐太郎


そんな祐太郎に
あたしは、何をしていたんだ。



「ごめんなさい……」









真っ暗闇のなか、天使と少女が寄り添っているのを、

月だけが、見ていた。



< 25 / 54 >

この作品をシェア

pagetop