きゅーぴっど②
「!
正樹、身体が……」
すると、中川桜が目を見開いて言った。
俺は自分の身体を見ると、徐々に消えていっていた。
「…ああ、言ったろ?
依頼人に惚れられるのは俺たちの中じゃ御法度だ。
きっと、それの罰で強制送還されるんだろ」
「そんな…」
赤く腫れた目がまた揺れる、俺はそれを見て
中川桜をぎゅう、と抱き締めた。
それに中川桜は驚いていたが、俺が背中をさすると
おずおずと腕を回してきた。
「……あたしを助けてくれた時の正樹、かっこよかったよ」
「そうか」
昔を懐かしむような声で中川桜が話始める
「あたし、絶対正樹よりカッコいい彼氏つくっちゃうから」
「…浮気性はなおせよ」
そう言うと、中川桜はあははと笑った
「―――…正樹」
「ああ」