きゅーぴっど②



そんなことがあって早二年

僕は彼女に声もかけることも出来ずに
卒業を控えていた。






そんなある日、
先生の手伝いをしていて帰りが遅くなってしまった僕は
廊下を歩いていた。

すると、ある教室を横切ろうとしたとき
机に向かってなにか難しい顔で唸っている彼女を見つけた。


「………手伝おうか?」


気がつくと、声をかけていた
引っ込み思案な僕が、だ。

すると彼女は、そんな僕をぽかんとした顔で見て


「ほんとに?ありがとう」


そう言って顔を綻ばせた。

< 51 / 54 >

この作品をシェア

pagetop