きゅーぴっど②
「………どこだ、ここ」
気がつくと、覚えのない路地裏で倒れていた。
僕は必死に思考を巡らそうとするも
頭を強く打ったのか、ズキズキと痛みが広がる
「……僕は……ぼく、は……」
心にぽっかりと穴があいたような
そんな消失感に胸がズキリ、と痛む
《ナニ》をしようとしていたのだろうか
思い出せない
何か頭のなかに広がる白い霧が思考を邪魔する
「……な、んで……」
思い出せない
何か、とても大切なものだった気がするのに
「……何も、思い出せない」
そう言ったと同時に
目から涙が溢れた。
end