きゅーぴっど②
「メルアドもらっちゃった」
えへへ、とあたしは軽くスキップしながら家への帰路を辿っていた。
浮気性のあたしにとって、
男の人に声をかけて親しくなることは容易いことだった。
「今度の人は、あたしが目移りしないほどの人かなぁ…」
そう言って、先程もらったメルアドを登録して
カチカチとメールを送っていると
ゴォォ、とあたしの前に突然突風が吹いた。
「!?」
あたしは咄嗟に携帯を持っていた手を眼前に掲げた。
だけどその突風は眩しいくらいの光を放っていて、
次第に目を開けることができなくなる。
『なにこの、変な風……ッ』
「………こんにちはー
恋のキューピッドとしてあんたの手助けをしに来ました、斎藤正樹です。」
「…へ?」