きゅーぴっど②
突風が止んだと思ったら、いきなり気の抜けるような声が聞こえて思わず目を開けると、
さっきまで誰もいなかったの場所に
真っ黒いスーツをきた少年が立っていた。
「え、………誰?」
目をパチクリさせるあたしに
謎の少年は一瞬眉をひそめたかと思ったら、
その場で腕を組んで
「今自己紹介しただろ、聞こえなかったのか?
俺の名前は斎藤正樹。
天界に住む天使にして、恋のキューピッドだ」
そう言い放った。
――……あ、ヤバいヒトだこの人
そう直感するや否や、あたしはダッシュでその場を離れて家へ帰った。
後ろであの謎の少年が何か言っていたが、
あたしは聞こえない振りをした。