アタシの人生に華が咲く
その2



 ある朝、いつものように時計のアラームで目を覚まし、顔を洗ってから仏壇に線香をあげた。



『なんだか今日は怠いなぁ……』



 昨晩、いつもより深酒をしてしまったせいか、身体が重く怠い。 



 朝ごはんも食べる気にはなれず、そのまま居間の畳に崩れるように寝そべった。



普段二日酔いなんてほとんどしないのに、ビールを1本増やしただけでダウンなんて、やっぱり年のせいなのかと思うと悲しくなる。



 そのままウダウダしていると、もう店を開ける時間がやってきた。



『あー……しっかりしなきゃ』



 そう自分に渇をいれ、なんとか立ち上がる。



店のシャッターを開けて、湯本豆腐の保(タモツ)おじさんに挨拶をした。



『なんだい、小巻ちゃん。今朝は一段と覇気がないね』



『いえ、ちょっと具合がよくないんです』



 “二日酔いですけど”とは言えないが……一段と覇気がないと言われるとは。


 焼き場で椅子に座り、ぐったりしていると、マチコさんがお茶を持ってやってきた。






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