アタシの人生に華が咲く
まさに救世主とばかりに私はリョータに手を伸ばした。
『テメーっ、ガキができたってほんとかよ!』
『はい?』
リョータは伸ばした私の腕をガシっと掴み、猛烈に怒っている。
『ちょっとアンタまで何言って……』
そう言いかけて私はついに意識が遠のき、その場に倒れ込んでしまったようだ。
それから目を覚ましたときには、私は寝室のベッドの上だった。
天井からベッドの脇に目をやると、そこにはリョータが胡座をかいて座っていた。
『おう、起きたかよ』
リョータは少し呆れたように言った。
『私……あれからどうした?』
ベッドに横になったまま私は静かに聞いた。
倒れてから、リョータが私を抱えてベッドに寝かせ、
大騒ぎするおじさん達を、それぞれに帰し、町医者を呼んでくれたそうだ。
『あちゃー……ご迷惑かけました』
布団で顔半分を隠しながら、私は申し訳なさそうにポツリと呟いた。
リョータは小さくため息をつき『もう酒やめろ』なんて言ってきた。