TATTOOー愛情ー
あたしはダウンジャケットを着て厚着だったけど、ネイトはわりと薄着だった。


マオリはそれほど寒さを感じないのか、工場でも冬にも関わらず半袖の人が沢山いた。


車をジャックの家に停めさせてもらって、二人でパパモアビーチに向かう。


14時位で海風もそんなに強くなかった。


真冬の為人は殆どいなくて、カモメが何匹か寄ってくる程度だった。


2人で砂浜に腰掛けた。


あたしは体育座りで頬杖をついて、黙って海を眺めていた。


ザーッ、ザーッ。


白波が水しぶきを上げる。


波の音と海鳥の鳴き声しか聞こえなかった。


ネイトもいつもと様子の違うあたしに何かを感じたのか、話しかけてはこなかった。


隣で同じように海を見つめている。
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