TATTOOー愛情ー
ふと誰かに寄りかかりたい衝動に駆られて、あたしは隣のネイトの肩に頭を乗せた。


それに気付いてネイトは一瞬こっちを見たけど、何も言わなかった。


あたしは人の体温に安らぎを覚え、いつの間にか涙を流していた。


ネイトは気遣わしげにこちらを見てこう言った。


「無理はしない方がいいよ」


その言葉に余計に涙が溢れた。


あたしは言葉も無く、ただただ涙を流し続けていた。


ネイトはあたしの頭や体を抱き寄せるわけでもなく、黙ってそばにいてくれた。


それが嬉しかった。


これまで散々愚痴を言っても心が晴れなかったのが何故だか分かった。


あたしは包み込んでくれる優しさやぬくもりを求めていたんだ。


ニュージーに来てから今までずっと無理をしていた。


辛いことがあってもあたしなら乗り越えられると、自分を過大評価していた。


でも実際は、見知らぬ土地で知らない人ばかりの中で頑張るのに疲れてしまっていたんだ。
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