おいつけない
ぼんやりと1年前を思い出す。
高校2年に進級したばかりの春..。
楽しそうに笑っている敬太に一目惚れした。
白い肌、ツンとしていてでも優しそうな目、低い声。
一瞬だった。
その日から敬太に気づいてほしくて。
度々、敬太と目があった。そのたび嬉しかったあのときのこと。
なつかしい。
消えていく幻
今、どんなに想っても届かないこの気持ち。
いつからこんなに弱くなったのかな。
敬太と戻れないのはわかってる。
敬太は今、幸せだから。
でも、もう少しだけ好きでいさせて。
涙が一筋..頬を流れた。