The Battle of Love
Prologue
心地よい風が吹く、春の日。
こんなときは誰だって、のどかな気分になるもの。
でも、この空間だけは、違った。
後ろからわたしを抱きしめる人が、一人。
前からわたしたち——というか、わたしに抱きついている人物を睨む人が、一人。
そして、その後ろからこの危険な事態を見つめる野次馬が、たくさん。
どうしてこんなことになったかというと…時は少し前に戻る。
ちなみに今日は、卒業式。
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