The Battle of Love

「葉緒ぉ〜!!」

向こうから実那が叫んでいる。

「みんな呼んでるよ〜!!」

「うん、今行くー!!」

そう叫び返して走ろうとしたら、制服が何かに引っ掛かった。

「あれ、なんだろ…」

確かめようと思って振り返ると、そこには、後輩の神崎くんがいた。

「先輩、ちょっといいですか?」

「いいけど、今制服が引っ掛かってて…って、神崎くんだったの!?」

引っ掛かってたのではなく、掴まれてただけだった。

それはそれでいいんだけど…

「あの…放して、くれない…?」

「お断りします」

なんなの、この子。

わたしのほうが先輩なのにぃー。


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