スイートルームの許婚
態度とは裏腹に急激に高まる鼓動。



私は緊張で高まる鼓動を抑えようと過呼吸になるくらい、空気を吸った。



薄明かりの中、愛斗は私に身体を近づけ、端正な顔を傾ける。



「目、瞑れよ。それとも、キスしてる俺の顔が見たいのか?由可奈」


「え、あ…」


私は慌てて、瞳を閉じた。


重なる唇。


愛斗は私の後頭部に手を回して、唇を小刻みに離して、浅いキスを繰り返す。


でも、軽いキスだけど、リップ音が私の鼓膜を震わせた。





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