スイートルームの許婚
俺自身は社長に近づこうとこの8年…頑張ったけど。



頑張りが足りなかったのか?

それとも、家柄か?


「俺と同じ歳で…支配人とは…」


コンシェルジュデスクに座りながら、俺は物思いにフケた。


龍咲グループを背負えるような器のある男になろうと努力してたのに。

この8年の俺の努力は水の泡のように消えた。



「小早川さん…」


エマさんがコンシェルジュデスクにやって来た。


「どうなさいましたか?」


「昨日のお礼です」


「エマ様は何か勘違いなさってます。私は当然のコトをしたまでです」





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