スイートルームの許婚
そう言って、トーガは電話を切ってしまった。



私は茫然として、ケータイを握り締めた腕をダラリと落とす。



今になって気づいたーーー・・・
私が言った来た言葉でトーガを凄く傷ついていたコトに。



友好的とか何とか言って…
本当は私…トーガを恨んでいた。



トーガの存在を知るまで本当に親子3人仲良くしていたんだもん。



お父様だって私を大切にしてくれて、なんでも言う事を聞いてくれた。


だから、ワガママで生意気な女の子に育ってしまった。
お父様が全て悪いとは言い切れないけど。




お母様は昔から、キツイ性格。でも、出来ない私を怒るのは、愛情だと幼い時は思っていた。



今になって、考えたら、それはお父様に対する憂さ晴らし。



何も知らなければ良かった。


でも、家族なのに、秘密主義なトコが嫌で…



「・・・」





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