スイートルームの許婚
「・・・」



コンシェルジュデスクは藤沢さんの立つフロントの真ん前に位置する。



自然と目が合うだよなー。



藤沢さん、誰も居ない時は俺を一途に見つめる。



その視線は…俺を誘ってるようにしか見えない。

隠れの肉食系女子とはーーー・・・怖しい。

俺の背筋に震えが走る。



藤沢さんとはもう、関わりたくない。
俺は顔を俯かせて、藤沢さんと目線を合わせないようにした。



「・・・なんだか…二人して様子が変ですねぇー」



片瀬は俺と藤沢さんを交互に見つめて、何かを汲み取る。
片瀬は仕事には少し気転が利かないとこがあるのに、人の色恋沙汰には鋭い反応を見せた。


「二人…もしかして・・・」













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