スイートルームの許婚
俺を総長と呼ぶのはただ一人、大ちゃんだけ。



大ちゃんが俺を藤沢さんから救ってくれた。



ホテルの最上階のレストラン。



海と空の境界線が見えない群青の色。
遠目に見える東京の街の光が蜃気楼のように揺らめいて見えた。



『『本当にありがとうございます』』
夫妻揃って、俺に丁重な礼を言う。


旦那様は無事に退院。

明日はエマさんと3人で東京見物に出かけるらしい。


『礼だなんて…俺は当然のコトをしたまでです』



目の前に並ぶ料理は一流。














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