スイートルームの許婚
いきなりそんな顔見せんなよー。



「それよりも先に食事をお召下さいませ…お嬢様」



「・・・」
由可奈は俺の言葉で、右手にスプーンを持ち、野菜スープを飲んだ。



「愛斗…私の要望が聞けないなら…コンシェルジュ失格よ。お父様に言ってあんたをこのホテルから追い出すわ!」




俺は一応…龍咲社長自らのヘッドハンティングで、ここに来たのに…。



「追い出されたくなければ…私の要望を聞いて!」


さっきの切なげな声と表情は消えていた。






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