スイートルームの許婚

「イケメンはこれだから…ダメだね～」



「え、あ…」



「小早川さんはやめなよー。彼は浮気するよ」



愛斗を追い出したものの、私の胸にしこりが残る。



テーブルの上には凪君の持って来たワインボトルと料理が並ぶ。



「座って座って」


私の知っている凪君の戻り、屈託のない笑顔を浮かべて、椅子に座らせた。



「二人で飲もうぜ～」


「う、うん…」



凪君が私の目の前に置かれたグラスに白ワインを注ぐ。


「お嬢様はそんなに小早川さんがいいの?」



凪君は心から楽しんでない私を詰る。