スイートルームの許婚
「それは…」



「俺…お嬢様のコトがスキなんだ…」


「えっ!?」


私は凪君と見つめ合う。

今まで、見たコトのない真剣な表情の凪君が私の瞳に映る。


「俺はお嬢様のタイプじゃあないけど・・・。俺はお嬢様がスキ」


凪君は私の顎を指で持ち上げる。



「小早川さんみたいな男は止めて、俺にしなよっ」



「凪…君!?」


このままだと、キスされてしまう。


凪君の唐突な告白。

初めて見せる男の顔に戸惑いながらも、私は顎にかかった凪君に指を払った。



「ゴメン…」


「・・・俺はやっぱ、お嬢様にとって、唯の友達なんだなー」


凪君のやるせなさそうな横顔に、胸がギュッと締め付けられる。




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