スイートルームの許婚
「でも、由可奈お嬢様は…真実が明かされれば…その椅子は遠ざかるぞ」



栗原は俺の知らない由可奈のコトを知ってる。



「お嬢様に仕事を依頼された時に…偶然、知ってしまった…。でも、それはお嬢様の立場を危なくするだけ…それに彼女自身が傷つく…。だから俺は自分の胸にしまって報告はしなかった…」



「・・・」


由可奈が傷つく真実ってーーー・・・

俺は由可奈を愛する者として、知りたかった。


俺の興味を煽るだけ煽って、栗原は背を向ける。



「おい!?待てよ!!!」



踵を返そうとする栗原を引き止める。


「知りたいのか?小早川」


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