スイートルームの許婚
知りたそうにする俺の顔を見て、ニヤリと笑う栗原。


「俺の仕事には守秘義務がある。それは最初に話したよな…。いくら、お前が由可奈お嬢様の意中の相手でも、教えられない。ただし、その情報をお前が買うなら別だ。知りたければ、1億用意しろ」



「1、1億!!?」


桁が大きすぎるだろ?



「お前自身も…お嬢様を愛してると見た。違うか?」


栗原は俺をジッと見つめた。

コイツに嘘をついても、直ぐに見抜かれてしまいそうな感じ。


俺がどう足掻いても越えられなかった明晰な頭脳の持ち主だから。



「愛してる…でも、俺は…別に後継者の椅子には興味ない…」


「なら、言う必要もないな…」


「・・・一瞬お前は俺と同類かと思ったけど…違った」



「同類?」






< 195 / 289 >

この作品をシェア

pagetop